大人気『夢をかなえるゾウ』シリーズの4作目です。良い本!
表紙に描かれている、死神が気になり手に取りました(笑)
AmazonKindleでは、途中まで無料で読めるお試し版もありました。
Contents
『夢をかなえるゾウ4』課題
『夢をかなえるゾウ4』は余命3ヶ月を宣告される、サラリーマンが主人公の物語です。
宣告されて狼狽する主人公の元に、ガネーシャが登場します。そのガネーシャから、残された時間をより良く過ごせるように、色々な「課題」が出されるのです。
ガネーシャからの「課題」(抜粋)
物語を最後まで読むと、「課題」が理解しやすくなります。
- 健康に良いことを始める
- 死後に必要な手続きを調べる
- 大きな夢に向かう小さな一歩を、今日踏み出す
- 人に会ってわだかまりをとく
- 経験したことのないサービスを受ける
- 節約を楽しむ
- 思い切って仕事を休む
- 自分の体に感謝する
- 身近な人に感謝の言葉を伝える
- 他者の欠点を受け入れる姿勢を持つ
- 他人に完璧さを求めている自分に気づく
- つながりを意識する時間を持つ
- 喜怒哀楽を表に出す
人間が死に際に後悔する十のこと
多くの人の死に際を見てきた「死神」から、その時に後悔する十のことを教えてもらえます。
- 本当にやりたいことをやらなかったこと
- 健康を大切にしなかったこと
- 仕事ばかりしていたこと
- 会いたい人に会いに行かなかったこと
- 学ぶべきことを学ばなかったこと
- 人を許さなかったこと
- 人の意見に耳を貸さなかったこと
- 人に感謝の言葉を伝えられなかったこと
- 死の準備をしておかなかったこと
- 生きた証を残さなかったこと
さらに最後の課題として「自分の死後、人に伝えたいメッセージを書く」と書かれていました。
「課題」が多すぎてやる気が出ないので(笑)、今回はガネーシャからの課題にある「死後の手続き」だけ調べてみました。
死後に必要な手続きを調べる
「死」を考えると暗い気持ちになります。できれば目を背けて距離をとり、考えたくありません。しかし、誰にでも訪れて、逃れることはできません。
この本を読んだのを良い機会として、向き合うことにしました。
①死亡診断書の受け取り
病院で亡くなった場合。
多くの場合は体調が悪くなって、救急車で病院に運ばれます。そのまま入院して、その後死亡します。
病院で死亡すると、医者から「死亡診断書」が発行されます。
自宅で亡くなった場合。
自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医と警察に連絡します。
診療継続中の疾患で死亡した場合、最後の診察から24時間以内であれば、死後に改めて診察しなくても「死亡診断書」の交付が可能です。
警察は死亡した理由に、事件性があるか確かめるために検視をします。
事件性が無いことを確認してから「死体検案書」を発行してもらえます。これは「死亡診断書」と同じ内容になります。
「死亡診断書」か「死体検案書」は、その後の色々な手続きに使用するので(人によって違う)、10枚くらいコピーしておきましょう。
自宅で死亡の場合、注意が必要。
自宅で死亡した場合、救急車を慌てて呼ばないよう注意が必要です。なぜなら、救急車は「遺体搬送」ができません。無駄に呼ぶだけになってしまいます。
さらに警察が介入する場合、遺体を動かさないようにします。現場検証などが行われるので、亡くなった人をそのままにしましょう。
②役所へ届け出をする
死亡届を提出する
死亡してから7日以内に、市区町村役場に提出しなくてなりません。提出できる人は、亡くなった人の親族、家主、地主、後見人などです。
この「死亡届」に、「死亡診断書」か「死亡検案書」を添付する必要があります。
火葬許可申請書を提出する
「死亡届」を提出すると、火葬許可証を発行してもらえます。この許可証が無いと、遺体を火葬してもらえません。
葬儀に間に合うように、提出することが必要になります。
※市区町村により、死亡届を提出するだけで、火葬許可証を発行してもらえる場合があります。
納骨には火葬証明書が必要
提出した火葬許可証に「火葬執行済」の印が押されて返却されます。
これが、墓地に遺骨を納骨する際に必要となる「埋葬許可証」になります。納骨の日まで遺骨と一緒に大切に保管して、墓地や霊園の管理者に提出します。
遺骨の手続きの期限はありません。家にしばらく保管しても問題ないです。
散骨を希望する。
私は墓地は不要だと考えてます。
自分が死んだときも、地球に戻すという意味を込め「散骨」してほしいと思います。そこで「散骨」の手続きについて調べてみました。
散骨の法律
日本には「散骨」に関する、法律はありません。総務省から「節度をもって葬祭のひとつとして行われる限りは違法にならない」とされています。
法律が無いので、書類なども無く手続きは原則不要です。
散骨の注意点
①粉骨する。
パウダー状になってない場合、散骨すると他に人が見つけて事件になる可能性があります。総務省の言う「節度」がそれに当たるのだと思います。
ただ、故人を思うと「粉骨」は辛い作業です。専門の業者もいるので、依頼することをお勧めします。
②撒く場所。
故人が好きだった山だから、という理由では撒けません。その土地の所有者がいるからです。だた「弔い登山」という言葉があるくらいなので、実際には行われてはいるようです。
海の場合、漁業関連の施設が無い場所、海水浴場では無い場所、人目につかない場所、であれば撒いても問題なさそうです。
③自治体による。
その地域の自治体により、許可が必要な場合もあるようです。
また、公共の場ではほとんど許可はおりません。勝手に撒くと罰せられる可能性もありますので、よく調べることをお勧めします。
手続き・請求
葬儀が終わると、休む暇なくたくさんの「手続き」が待ってます。
以下に記載したほとんどの手続きで、「死亡診断書」か「死亡検案書」が必要になります。
葬祭費・埋葬料請求
故人が国民保険に加入していた場合、市区町村へ「葬祭費」を請求できる。(1~7万円。市町村により違う)
故人が社会保険に加入していた場合「埋葬料」を請求できる。(5万円。組合により違う)
共に期限は2年以内になってます。
14日以内に行わなければならない手続き
- 世帯主の変更届 → 市役所へ(残る世帯員が一人の場合は不要)
- 健康保険の資格喪失届 → 市役所へ
- 年金の資格喪失 → 年金事務所へ
住民票は「死亡届」が提出されると、自動的に削除されます。
その他の手続き
・自動車 故人が乗っていた自動車がある場合、陸運局に行き「廃車」か「名義変更」の手続きが必要になります。
・クレジットカード クレジットカードの裏面に、電話番号が書いてあります。連絡して利用停止にします。
・運転免許 自動車安全運転センターまたは警察署へ返却します。
・パスポート パスポートセンターに返却します。
・生命保険の受け取り 保険会社に連絡して下さい。
・公共料金 故人の名義だった場合、名義変更をします。
・住宅ローン 「団体信用保険」に加入している場合は、住宅ローンの返済は免除されます。
残された遺族は、葬儀が終わるとたくさんの手続きをしなければならず、何かと忙しいです。調べるだけでもひと苦労です。体力的・精神的にも辛いことが想像できるので、スマホで全部できるようになってほしい(笑)
エンディングノート
「死後の手続き」を調べてて、思い出した事があります。それは、ある日、妻から「エンディングノート」を書こうと言われたときのことです。
エンディングノートとは
自身が死亡したときや、判断力・意思疎通能力の喪失を伴う病気にかかったときに希望する内容を記す。特に後者の内容を、事前指示と呼ぶ場合がある。
Wikipediaより引用
ふだん「いつ死ぬかなんて誰にも分からない」なんてことを口にはするくせに、それまで自分の死について真剣に考えた事がありませんでした。そんな死について、今回初めて考える事ができました。
自分が死んだ時、残された妻は、葬儀や埋葬をどうすればいいのかわからず、おそらく混乱するでしょう。そんな時にこのノートがあれば、葬儀や埋葬につていての、私の望み・意思を知ることができます。
葬儀や手続きも、書いてある通りに進めればいいのです。
遺言書だけでは、細かいことは伝わりません。年齢も関係なく、すぐに書いておくことをお勧めします。
自分の両親へプレゼントしてみた
このエンディングノートを、自分の両親にも渡してみました。
高齢の両親に「死」を考えさせる事は、楽しい時間ではありません。しかし、話せば分かってくれると思い、ノートの必要性を伝えました。
案の定、2人とも「黙ってしまい暗い雰囲気」なりました(笑)
更に、その場にいて一番感謝されたいと思っていた、兄も黙って見守っていました。
おい!兄貴!ノートが無きゃ喪主になった時、大変な思いをするんだからな!だから何か言ってくれよ!(笑)と思い見つめてしまいました。
次回は、兄にもこのノートをプレゼントしたいと思います。遺産は「全て弟へ」と書いて(笑)
『夢をかなえるゾウ4』まとめ
『夢をかなえるゾウ4』は「死」について書かれていますが、悲しいストーリーではありません。もちろん感動もあるのですが、ガネーシャのキャラが面白く、笑いの多いストーリーで、気が付くと一気に読んでしまいます。
そのストーリーの中に、多くの課題が出てきます。一気にやろうとすると、多すぎてやる気が起きません(笑)
そうではなく、この課題の中から今自分がやりたいと思うもの選んで、実行すればいいのです。しばらくして読み返したときに、他の課題が目に付くようになる。その時はその課題が必要なんだと思います。
だから手元に置き、何度も読み返す一冊になりました。