息子が中学2年生の冬に離婚をして、それ以来離れて暮らしています。
高校受験を一年後に控えた、息子の大切な時期に離婚をして、もっと上手くタイミングが計れないものかと、後悔と謝罪の気持ちで一杯でした(笑)
そんな息子が、離婚して一人暮らしを初めた私の家に、何度も遊びに来てくれた時の記事です。
↓この記事の続きです。
成長して逞しく
救ってくれた
離婚した直後から「泊まりに行くよー」と、何度も遊びに来てくれていた息子。
彼がいてくれたことで、当時の私はどれだけ救われただろう。
遊びに来てくれた時は、好きなだけ好きなモノを食べてもらい、その代わりに翌朝は毎回、ほとんど無理矢理に私のジョギングに付き合わせた(笑)
嫌がるだろうけども「明日の朝、ジョギングな?」と誘ってみると、意外に「いいよー」と言ってくれたので嬉しくなる。
小さい頃にも同じように誘って一緒に走ってくれていたが、途中で足が痛い、お腹が痛いと言って、先に歩いて帰ったことが何度もあったので、気軽に返事をするところをみると、息子の成長を感じる。
翌朝、起きてすぐに着替えていると、息子も起き上がり準備を始めた!
自分が同じぐらいの歳だったら、絶対に「もっと寝たい!」と言って断ったと思う(笑)
クロックスのサンダルで泊まりに来ていたので、私のスニーカーを貸すことになった。
このスニーカー、通気性重視でソールに穴が空いていて夏でも涼しいです。逆に雨が降るとその穴からすぐに水が入ってきますので注意が必要(笑)
ジョギングスタート
軽くストレッチをして走り始めると、息子は楽しそうに走っていて隙あらば体当たりをして、舌を出しながら先をへ走って行く。
その先を行く後ろ姿を見ると、高校になり自転車通学で鍛えられたのか、立派になった足腰、大きくなった背中、力強く蹴り出しスイスイと軽そうに進んでいく姿に嬉しくなりニヤニヤしてしまう。
「逞しさ」を感じると小さい頃喘息気味だったことを思い出し、立派に育ってくれたと、その成長に感動してしまい泣きそうになる。
そのせいで呼吸が上手くできなくなり、より距離を開けられてしまうが「おせーな」と言いながら、ちゃんと待ってくれていた(笑)
こんなペラペラな私を父親に持ち、挙げ句に離婚をして出ていったのに、なんでこんなに良い性格に育ってくれたのか?「良い子症候群」なのか?と心配するぐらいにだったが、私が「反面教師」なのだと思うと深く納得出来る(笑)
あの当時、助けてくれてありがとう、息子よ。
オタクなダメ父親
リアルから仮想空間へ
結婚していた頃にオンラインゲームのFF11にハマり、リアルの生活よりも架空の空間の仲間達を優先してしまった時があった。これも離婚に繋がる原因の一つだと思います。
(久々に調べてみたら懐かしい!)
結婚するために引越してきて友人もいなかった私に、高校時代の友人の誘いは断る理由が無く、二つ返事で遠く離れても一緒に遊ぼう!と初めたモノでした。
その初めてのオンラインゲームにドップリとハマっていきます。
平日も睡眠時間を削り休日前になると、朝方までやりこみ、翌日の家族サービスは寝ぼけたままボケーッとしてました。本当に馬鹿です。ご利用は計画的にしましょう(笑)
数年後にその状態がオカシイとやっと気が付き、家族を大切にしなければと猛省して封印してました。
そしてそのオンラインゲームを、離婚して一人暮らしになってからは、好き放題にやろうと思いましたが孤独と不安でこの大好きなゲームにも集中出来ずやる気も出なくて、ずっと放置したままでした。
Dドライブ
ある日の暇な夜、オンラインゲームを再開しようかと、パソコンを立ち上げてみましたが、気が付くと結局ゲームは出来ず、ファイルの整理を始めていた。
いらないファイルを捨てて、ウイルススキャンなどメンテナンスをしてました。
するとDドライブの奥に、圧縮されたフォルダを発見するのです。私専用のパソコンだったから、知らないモノは無いはずだけど記憶に無い。
なんだろう?と展開してみると、画面にウインドウが開き、20年位昔に撮影されたと思われる、解像度の荒いファイルが沢山並び、よく見てみると小さい頃の息子が映った写真や動画が入っていた。
このタイミングで不意に想像してなかった息子に会えて、一人暮らしの部屋からまるで昔の住んでいた、幸せな頃の家にタイムスリップして涙が出てくる。
幸せの動画
画面一杯に拡大したウインドウの中で、小さい画像が次々と表示されていき、100枚以上の見たことのある画像と動画が広がっていく。
下の方までスクロールしていくと動画が数個まとまってあり、そのうちの1個をダブルクリックして、動画を見ることにする。
小さいウィンドウが開き、砂時計がクルクル回り数秒待たされる。その間になにが出てくるのか?緊張して待つことになる。数秒後にパソコンの画面に画像の荒い動画が表示された。
見覚えのある庭に、まだ一人で歩くこともままならない1~2歳の息子が、ビニールプールに入りカメラに向けて笑いかけていた。
「冷たい?」という元妻の幸せそうな声。「ううんー」とキャッキャと笑いながらプールの中を、寝っ転がり水遊びをしている息子。
いまの自分の状況から真逆に位置するような、幸せな動画が隠されていた。
映し出される可愛らしい息子の姿に、そのまま硬直してパソコンの画面を見入ってしまい、部屋でパソコンから流れる音質の悪い二人の声と、私の嗚咽が暫く止まりませんでした。
一度だけ言われた言葉
返事に困った
泊まりに来たときに、どこかで晩御飯を食べようと言うことになり、食事をしている時に、一度だけ「早く戻って来なよ」と言われたことがある。
正直、返事に困ってしまった。もう、なにが起きても戻ることは無いと思って、私のその気持を息子に言うのは残酷だった。
息子の期待に答えられないと思うと、正面から顔を見ることも出来ず、上手く答えることが出来なかった。
その変な空気感や私の表情から読み取ったのか、その後に追い詰めるような質問は無く、そしてそれ以来「戻って来て」と一度も言われなくなった。
息子に自分の気持ちを、父親に言うことさえ我慢させていると思うと、より辛く自分を責めて心の中で息子に謝罪するしか無かった。
息子を無理やり成長させてしまった
少し前までは一緒にWiiの「マリオギャラクシー」をやって、大人気なく本気を出した私の、神業的なマリオさばきを、尊敬の眼差しで見ていたこと。
プロレスゴッコをやり、リングのベッドをギシギシ言わせ、パワーボムを繰り出しかと思うと、出窓から息子が飛び跳ねて、ハイフライフローを食らったり、気が付くと二人とも汗だくになり、最後は本気でやり合っていたこと。
そんなことで息子と盛り上がっていたことを思い出し、まだまだ子供でいたかったかも知れないのに離婚という親の勝手な都合で、急に大人に成長させてしまった事に気が付く。
自分を守るために成長しなければならなかったのかも知れない。謝っても謝りきれない気持ちになり、それと同時に、成長過程を側で見れない寂しさを少し感じた。
どんな離婚でも、常に一番の被害者は子供になってしまうのだろう。
ずっと自分が一番辛いと思っていたが、自分では無く子供が一番辛い。という事に最近気がついた。