投資

《感想・要約》生涯投資家 著者が悪役からヒーローに変わる!

ドル札の束と南京錠

これまで胡散臭いと思っていた「投資」ですが、怖がらずに見てみると下世話なモノではなく、経済を活性化できて社会に貢献できると思うようになりました。

そんな投資に興味を持った私の前に気になる一冊が!それがこの本「生涯投資家」です。

著者があの村上世彰さんです。2000年代に世間を騒がせた村上ファンドの創業者だったのです!

著者紹介・目次

【著者:村上世彰さん】

東京大学卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省し公務員として約16年勤務する中で、日本経済の永続的な成長のためにはコーポレート・ガバナンスが大切であることを実感し、自らがプレーヤーとなって変えていこうと決意して40歳を目前にファンドを立ち上げる。

ウィキペディアより引用

 

【目次】
はじめに――なぜ私は投資家になったか
第1章 何のための上場か・・・官僚として見た上場企業の姿 ほか
第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス・・・東芝の大きな過ち ほか
第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む・・・決戦の株主総会 ほか
第4章 ニッポン放送とフジテレビ・・・私が見たライブドア対フジテレビ ほか
第5章 阪神鉄道大再編計画・・・西武鉄道改革の夢 ほか
第6章 IT企業への投資・・・既得権益に猛然と挑んだ堀江貴文氏 ほか
第7章 日本の問題点・・・日本の株式市場が陥った悪循環 ほか
第8章 日本への提言・・・コーポレート・ガバナンスの浸透に向けて ほか
第9章 失意からの十年・・・東日本大震災について ほか

感想・要約

1ドル札

はじめにより

本書は村上少年時代の話しから官僚を経て、村上ファンド立ち上げまでの前半と、投資を初めてから「物言う投資家」と言われてから日本経済界への熱い思いの後半に分かれます。

まず初めに著者に魅力を感じるエピソードが書いてありました。それは著者が小学三年生のときに、父親から大学卒業するまでのお小遣いを一気に渡されます。その額は100万円でした!

「大学に入るまでにして!」

はじめにより引用

父親も投資家だったので、子供に教育の意味も含めて投資をしていたのかも知れませんが、ビックリします。しかし更に驚くのは、年数と金額から瞬時に計算をして大学卒業までだと計算が合わない「せめて大学入学するまでにしてくれ!」と交渉を持ちかけ勝ち取る村上少年にもっとビックリでした。

生まれながらにサラブレッド感が凄いです(笑)そのお金で投資を初めた村上少年は大学に入学するまでに1億円を稼いでました。

 

この本の題名「生涯投資家」に惹かれて投資の勉強として読もうと思いましたが、自伝のような内容が多く書かれてます。

この「自伝」が当然ながら他には無い物語です。この後村上少年は投資家では無く、国というシステムから勉強する為に「官僚」になるのです。官僚を経験した投資家なんて今までいたのだろうか?!投資に興味が無くても魅力的な物語が続きます。

第2章 コーポレートガバナンス

「コーポレート・ガバナンスと、その浸透による資金循環の促進」こそが経済成長を促す策だというのが、著者が官僚時代からの変わらない信念なのです。

本書より引用

読み進めると「コーポレート・ガバナンス」という言葉が何度も出てきます。

コーポレートガバナンス(Corporate Governance)とは、「企業統治」と訳されます。「会社は経営者のものではなく、資本を投下している株主のもの」という考え方のもと、企業経営を監視する仕組みのことです。

SMBC日興証券HPさまより引用

調べてみるとこの様な考え方でした。上場している会社では社長が一番偉いのではなく、資本をだしてリスクを犯している株主のモノで、社長は任されているだけなのです。

これを勘違いしている会社がたくさんあり、いわゆる「私物化」している経営者が多くいて、意味もなく目的も無く内部保留しているお金を沢山持っている会社が多くあったそうです。

著者はそれを株主に還元したり、新しい事業に投資したり、自社株を購入することでお金が動き日本の経済力も向上させて、より発展させようという信念があったのです。この文章を読んで村上さんのイメージがガラリと変わりました。

 

この様な考えを読み進めていると、悪者のイメージから経済界のヒーローにも思えてきて間逆のイメージです(笑)

ガラス瓶から溢れる小銭

第4章 フジテレビ

この本で一番読みたかった内容です。

当時の私は投資ことなど少しも知りませでしたが、毎日のようにニュースで見る「ホリエモン」と「村上ファンド」は強烈に記憶に残りました。

その後二人共捕まってしまうので、理由はわからないけど何か悪いことをしたんだ!としか思ってませんでした。

ライブドアの堀江貴文氏が私に言った「ニッポン放送の株式を五%以上買いたい」という趣旨の言葉がインサイダー情報に該当するとされ、その情報を元に株の取引を行なって利益を上げたという容疑で、私は逮捕されたのだった。

本書より引用

この事件は親会社と子会社のいびつな関係があったのです。

時価総額2,400億円のニッポン放送を買収すると、その子会社である時価総額2兆6,200億円のフジテレビまで付いてくる。簡単に言うと1万円の入った財布を1,000円で売っている様な状態だったのです。

この財布が売っていたら、誰でも買いますよね?(笑)上場しているので、お金があれば誰でも買える状態だったのです。

 

著者は買収して経営しようとしたのでは無く、いびつな関係を修正しようとして投資を初めたのですが、引用した内容で逮捕されてしまうのです。しかし著者本人はこの発言を夢や願望の様なモノだと受け取っていて、どこにでもある世間話と捉えていました。

しかし有罪の判決という厳しい結果になり、懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円とした東京高裁判決が確定しました。この追徴金は過去最高の金額の様です。

勝手ながら今現在同じ内容で裁判を行ったら?とタラレバを思い浮かべてしまいます。ただしご本人の書いたモノだけではなく、色々な角度から書かれた本を読まないと、本当のことは見えてこないと思いますが、少なくても本書を読むと著者の村上世彰さんのファンになります(笑)

まとめ

2000年代に「村上ファンド」という会社名を毎日のようにニュースで聞いた頃、村上さんが記者に囲まれ「お金を儲けてなにが悪いのですか?」というセリフと共に一気に悪役になってしまいました。

当時の私も汗水垂らさずに大儲けをしているイメージで、そのうち捜査が入り捕まってしまい「やはり悪い人」のままでした。しかしこの本を読むと捜査で苦労した事や、今となっては何の罪だったのかも良くわからず、大変な誤解をしていたことも分かり謝りたい気分で本書を読み終わりました。

当時、ホリエモンと世間を騒がせた時の心境や、詳細な話も読めて非常に面白かったです。

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アガイ
20代に婿養子になり、息子が出来てから離婚を致しました。 離婚ショックから回復した時の経験を書き 過去の私と同じ様に辛い思いをしている人を 少しでも楽にしたいです。