この本の紹介ページに
と書いてありました。読み進めると「直感」が「経験」から出来て来ることが書いてあります。
この本との出会い
「将棋」には、あまり興味を持っていなかったが
羽生名人の勝つ道筋が見えた時に、手が震えることを
見ている側が興奮しそうだと思い、興味を持ちました。
この「手が震える」ことを、調べてみると実際には少し違うようです。
勝ちを確定して震えるのではなく、良い手が浮かんだり
新しい閃きにより打てる、新たな一手の時に震えるそうです。
そんな名人が書いた本、というだけで興味がわきます。
目次・内容
第1章 大局観(検証と反省感情のコントロールはどこまで必要か ほか)
第2章 練習と集中力(集中力とは何か逆境を楽しむこと ほか)
第3章 負けること(負け方について記憶とは何か ほか)
第4章 運・不運の捉え方(運についてゲンを担ぐか ほか)
第5章 理論・セオリー・感情(勝利の前進将棋とチェスの比較 ほか)
引用・気付き 3個
負けも進歩のプロセスと考えてプラスの材料とし、成長していこうとする姿勢が大切だと思う。
p,107より引用
羽生名人は、400局以上負けてきたそうです。
そしてそれを、400以上の改善点があると書かれていました。
自分の負けを認めて、すぐに改善して進化を続けてます。
更に棋士の資質の一つに「打たれ強さ」があるそうです。
定年も無い棋士の世界では、長い間対局を続けていき
負けても負けても、動じない心が必要になってきます。
一つ負けたら、一つ進化をするチャンスと思い
同じ戦法では二度と負けないように、することが大切なんだと思わせてくれます。
もし打たれ弱かったら、一つの負けだけでつまづいてしまい
前進できなくなってしまいます。それが本当の負けなんだと思います。
400局負けても、何でも吸収して進化を続ければ名人にもなれることを
証明していると思いました。
直感とは、数多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく
自分自身が今までに積み上げてきた、蓄積のなかから経験則によって
選択しているのではないかと私は考えている。
p,130より引用
なにも経験ない人や、若い人が言う「直感」は単なる当てずっぽうです。
色々なことを経験して、知識もある人が初めてその場になった時に
数多くの選択肢が、浮かんでくるのだと思います。
そしてその場になった時に、一瞬で決定出来ることを「直感」というのでしょう。
若い時の「直感」では失敗することが、多くあると思うが
その失敗も積み重ねて、失敗の度に反省してその理由を考えていれば
直感はますます磨かれていくものだと思う。
ここでもリスク恐れずに、直感信じて繰り返し選択し
直感の精度を高めていきたい。
人がゲンを担ぐのは、自分のことよりも、むしろ他人のことの方が
気になるという心理からなのかもしれない。
p,162より引用
棋士の中にもゲンを担いで、古い扇子を使うなどしている方もいるようです。
しかし逆にゲンを担ぐ行為に、その相手の弱さを見出していた棋士もいたそうです。
ゲンを担がないと、自分の心の弱さを払拭できないと相手に教えているように思います。
羽生名人は、キリが無いので担ぐことを止めたらしいです。
そして担ぐことが、有利に動かないことも多くあり
そうなると自分の動きを制限されたり、手間がかかったり良いことはなさそうです。
私もゲンを担ぐことを、気にしたことはあります。
段々意味が無いと思えて来て、それよりも自分も心を強く持つことが重要だと止めました。
まとめ・感想
数多くの負けを経験してないと、良い名人にはなれないと
教えてもらいました。
当然、勝ちが多くないと名人にもなれませんが
数少ない名人は、本物では無いのかもしれませんね。