天然さまの妻

天然さまの細君ご降臨「ゴッホ超えの表現力」を見た。

秋の森に朝日が差し込む

最高な日の予感から「激おこの細君」

ある休日の朝。

窓から外を見ると前日までの雨は止み、太陽の光が反射して道路や隣の家のフェンスがキラキラと輝いていた。雲ひとつ無い秋晴れの空は、成層圏の向こう側まで見えそうな青だった。

窓を少し開けてみると、新鮮な空気が頬を撫でて、部屋の中に充満していく。

天気も風も気持ちよく、何もかもが愛おしく感じる。自信に満ち溢れ気分も良く、今日はたまに訪れてくれる「最高の日」かもしれないという予感がした。

紅葉した森と橋

私の声をかき消すタイミング

その日はゴッホ展が開催されている、東京都美術館に行くと決めていた。起きてすぐ、出掛ける準備を進める。

細君は洗面所へ向かい、私はリビングで準備を進めながら、電車の時刻を調べていた。

すると、洗面所から「ねぇー」と呼ぶ声がする。まだ時刻を調べ途中のため、スマホ画面を見ながら返事をする。

しかし、私が「なにー?」と声を発したと同時に、水道が「ジャーー、キュッ」と鳴る。

「なぜ、そのタイミングで水をだした?」と問いたかった。もしかしたら、ふざけているのかも知れないという疑問も湧いてくる。

このタイミングで水を出せば、私の声がかき消されることは想像に難くない。

しかし、今日は気分が良いので、ツッコミもせずそのまま待ってみた。

 

すると、さっきよりも大きめの声で「ねぇ!アガイ?!」と聞こえてくる。何故か少し怒っている様子。怒られても返事はしている。平常を装い返事する。

ところが、私が「なに!?」と声を発するのと同時に、ドアが「バタン!」と音を立てた。

細君が洗面所からリビングへ続くドアを、勢いよく閉めて入ってきたのだ。返事はしているが、彼女の耳には、私の声は届いていないだろう。

 

そんなことを考えながら、スマホを操作していた。

すると、細君がそばにきて口を開く。「ねぇなんで返事してくれないの!?」と、明らかに怒っている口調。おそるおそる顔を見上げると、アゴをシャクレさせて鋭い目つきで私を睨んでいる。これは明らかな「激おこ」である。

 

「人に呼びかけたら、静かにして返事を待たんかい!」と突っ込みをいれ、これまでの経緯を説明しようとした。

しかし、天才的に音をかぶせてくるのが、怒りを超えて「面白い!」と感じてしまった。(今思うと、私の返事のタイミングが悪いのかもしれない)

そしてこれはブログネタになる!と思い、笑いをこらえながら「ごめーん!」と言った。

吹き出してしまったら、火に油を注ぐことになる。グッとお腹に力を入れて、呼吸を止め耐え忍んだ。

出掛ける時に聞かれる質問

これだけ呼んでくるということは、重大な話に違いない。

少し自分を落ち着かせてから「どうしたの?」と聞いてみた。

固唾を呑んで返事を待っていると

細君:「今日って寒い?」

という質問だった……

 

ここに「寒いかどうか問題」が勃発。

過去の記事でも書いたが、この他愛もない質問は、今は小さな火種だが今後大きな問題に発展していくであろう。

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寒いかどうか問題。残念ながら、この質問の正しい回答は、未だに見つかっていない。

 

質問されたが、むしろ私から細君に、聞き返したいぐらいだ。

  • 私は温度計を肌身離さず持っていましたか?
  • 私は温度フェチですか?
  • 私の体には特殊な部分があり常に気象庁と繋がっていますか?
  • あなたは今寒いですか?
  • ゾンビだから温度を感じませんか?(寝起きの細君はゾンビ化している)

…この他にも、頭の中をいくつもの質問が駆け巡った。しかし、キリが無いのでこのくらいで止めておこう。

以前にもあった質問なので「どうだろうね~と答えた」。

ゴッホ展のパンフレット

手紙:ゴッホを超えた細君へ

このブログに、自分のことを細かく書かれて、驚かれていると思います。

その時の私は怒りも笑いも耐え、ネタを頂いたと内心ほくそ笑んでおりました。今は、こうして一つのブログ記事ができて、感謝しております、有り難うございます。

ここに細かく記録されていることを、気持ち悪いと思わないでください。

私が見たこと、感じたことをそのまま書いているにすぎません。もちろん、それが唯一絶対の真実だとは限りません。

この日の出来事はもう忘れていると思いますが、これは10月23日の朝、出かける準備をしている時のことです。

この後行ったゴッホ展、混雑してましたが楽しかったですね。美術館のある上野公園は、秋空のもと風も気持ちよくて最高でしたね。

公園をあなたと歩くだけで、楽しくて幸せを感じました。

 

美術館で見たゴッホの「種をまく人」よりも、あなたが今日、音で表現してくれた「水を出す人」「ドアを閉める人」の方が印象深く、私の記憶に残っています。

最も興味を惹いたのが、なんとも言えない表情で表現した『気温を聞く人』でした。しかも、「怒り」からの「質問」という禁じ手。

私の中ではゴッホ超えです。

改めてあなたの力を知ることができて、やはり「最高の日」でした。これからも、そのままのピー子でいてください。

ありのままのあなたで完全です。有難うございました。

 

ゴッホ熱をそのままに『夜のカフェテラス』購入しました。心の中にある『気温を聞く人』と一緒に、玄関に飾ってあります(笑)

ABOUT ME
アガイ
20代に婿養子になり、息子が出来てから離婚を致しました。 離婚ショックから回復した時の経験を書き 過去の私と同じ様に辛い思いをしている人を 少しでも楽にしたいです。