手紙:猫のイギーさまへ
保護されてから我が家に来るまで
生まれた直後、お肉屋さんの駐車場で、姉妹と共に過ごしていたと聞いてます。
カラスや他の大きなネコから、攻撃を受けてあなたは怪我をしてましたね。
あなたを見つけたお肉屋さんが、連絡をしてくれました。そして、保護主さんが迎えに行ってくれました。
優しい保護主さんの元で、元気を取り戻せて良かったです。
我が家に来たときは、警戒心の塊でしたね。テレビ台の後ろやベッドの下に入り、姿をちゃんと見せてくれるまで時間が掛かりました。
一生警戒され続けるのではないかと、不安になったことを覚えています。
その不安を解消するため「ネコ 警戒心を解く」でネット検索した事があります。
そこに書いてあった、指から直にペットフード「ちゅーる」をあげることを、すぐに実践しました。
私の指から直接、美味しそうに食べてくれたときは、夫婦で感動をしました。
このまま少しずつでも、心を開いてくれればと祈るような気持ちでした。
我が家にきてから、半年後に事件が起きました。
それまで私に近寄りさえしなかったあなたが、突如、膝の上に乗ってきたのです!
既に忘れていると思いますが、私はすごく驚き喜んだことを覚えています。
歓喜の大声をあげそうになりましたが、その声に驚き膝から降りてしまうのを避けるため必死に抑えました。
口に手を当てて「んんーー!!」「んーーー!」と、細心の注意を払いながら妻を呼ぶのに苦労しました。
あなたが心を開いてくれたことに感激して、妻と顔を見合わせて泣きそうになりました。
その後、徐々に警戒心を解いてくれるにつれ、私達の不安は解消されていきました。
初めての爪切りで、初めての「シャー」
初めての爪切りでは、恐ろしい形相で威嚇の「シャー」をしましたね。
その「シャー」で心が折れて、私も爪切りが大嫌いになりました。それでも、あなたのためと思い、私は爪を切り続けてきました。
あなたが妻よりも私に懐いているのは、私の爪切り任務に対する感謝の表れなのでしょうか?
私と同じように妻が撫でようとすると、プイッと行ってしまいますね。妻はショックを受けています。
そろそろ、妻の膝にも乗ってもらえないでしょうか?さすがにちょっと可哀想です(笑)
年に一度くらい、あなたは嘔吐しますね。しかも、走りながら。自分でも驚いて走ってしまうのでしょうか?
私達はあれを「ランニングゲボー」と呼んでいます。
後始末が大変なので、可能であればキッチンのシンクに、顔を突っ込んでもらえないでしょうか?検討のほど、宜しくおねがいします。
夏の夜は化け猫になる
夏の夜はクーラーが寒いから、寝室には来てくれませんね。
寒い寝室よりも、廊下の方が居心地が良いのでしょうか?1人でお休みされていますね。
私が夜中に起きて、トイレに行こうとドアを開けると、常夜灯に照らされ、目が反射してギラリと光り、影が壁に大きく映り、まるで化け猫のようになっています。
その瞬間、心臓が止まりそうになり、「ギャーー」っと大声を上げるのを必死に抑えています。
できれば常夜灯の当たらない場所や他の部屋など、睡眠場所にもう少し気を使ってもらいたです。
夏が終わり夜も涼しくなると、私達の枕の間で寝てくれますね。
可愛い寝顔が間近で見れて、気が付くとたくさん撫でてしまいます。しかしお気づきでしょうか?夜中にあなたのヒゲが私の顔面に当たって、何度も起こされて寝不足気味です。
あなたの「ヒゲ攻撃」の被害にあっている人がいることを、もっと自覚してほしいです。
秋から冬になり、寒い夜になってくると私の布団に入ってきますね。
布団に入るときは当たり前のように、私の右肩をトントンと叩きます。
まるでリストラ宣告するときのような、優しい叩きかたをしてくれますね。お陰様で嫌な夢を見てしまうので、私が寝る前に布団に入ってください。
布団に入ると、私が本物か確認しているのでしょうか?私の脇腹をガリガリしたあと、右脇の下をガリガリします。
Tシャツ一枚で寝ているときは、直に爪が当たりそうでヒヤヒヤしてます。
一通り確認が終わると、私の右肩に手を乗せその上に顔を乗せます。その手と顔は癒やしです。一晩中撫でていられます。
今夜も眠れない時間は続きます
あなたがいない寒い夜は、好きではありませんでした。
しかし、あなたが一緒に寝てくれるようになり、楽しみになりました。
密着している部分に、あなたの体温を感じて癒やされます。その体温に小さな一つの命を感じて、本当に愛おしくなります。
ギュウギュウ抱きしめたくなる気持ちを、抑えるのが大変です。
あなたが私の腕枕で寝てくれるようになり、寒い冬の夜も大好きになりました。ありがとうイギー。
最近ではこんなダラけた姿で寝るようになり、安心してくれているのですね?
今も幸せですか?あなたがダラければダラけるほど、私達夫婦は嬉しく感動しています。
辛かった時期を乗り越え、こんな表情ができて良かったね。これからも元気でいてください。
今夜も私の右肩に乗せている、あなたの寝顔を見ながら、そんなことを考えていました。秋になり久々の腕枕です。
あなたを意識し過ぎてしまい、寝返りも上手く打てず、今夜も眠れない時間が続いております。
明日もきっと寝不足になるでしょう。