昔働いた、害虫駆除の会社では
研修センターなる、「フルイ」が用意されていて
10日間、応募者全員でそこに寝泊まりをして
研修を受ける事になっていた。
脱落する人は、ここで終わるのだ。
詳しい住所は忘れたが、埼玉の山奥の方。
そこに現地集合、現地解散の条件で研修行われる。
途中で嫌になって帰ってしまうと、交通費は自腹になる。
そりゃそうか、勝手に来て勝手に帰る人の分まで
交通費を払っていたら、旅行気分で来れる(笑)
最後まで終えて、各営業所に配属なって
初めて交通費の精算をしてもらえる。
研修に来て逃げ出して、帰れるところなんて
婿養子には無い(笑)絶対に、自腹は避けるぞ!(笑)
今考えれば、その研修が「フルイ」だと分かる。
だってキツかったもん(笑)
応募した人を減らす為で、使えるのは残った人。
という考えの会社なんだろうと思う。
さて、研修センターに付いてから
一つに部屋に集められ、色々説明があった。
意識を変えないと、まずいなと感じた。
部屋に入るときは、その部屋にいる人全員に聞こえるように
「失礼します!!」と叫びながら入室。
聞こえなかったら「礼儀失格!」やり直し!
ご飯を食べるときも、全員で「いただきます!」が揃うまでやり直し!
お辞儀の仕方が、全員出来なければ
出来るまでやり直し!
どこかの軍隊の様な生活が始まる。
100人位いた仲間が朝になる度減っていく。
2日の朝には60人位になり、その後徐々に減り
最後は20~30人位になっただろうか。
10日間の日程の中で、一番過酷だったのが
「50km反省マラソン」(笑)
これまでの人生を反省して、考えを改め、甘かった自分に別れを告げ
新たな気持で入社しよう!と言うモノ。
朝6:00位にスタートして50kmをマラソン。。。
なんて無理なので、歩く。
歩いてもいいが、夜までに自力で帰って来るとのこと。
早い人でも夕方に帰って来れた様だが
遅い人は夜中になり、センターの人が車で探しに行っていた。
みんなゾンビの様に歩いていた(笑)
何日目か忘れたが、グループ分けされた時に
同じグループになった、メガネを掛けた理屈ぽいオジサンと
話すようになり仲良くなった。
しかし、そのオジサンが50km歩いた夜に弱気な発言をしていた
メガネ「もう帰ろうかなー」
驚いた私は励まそうと
私「たかが一週間じゃないっすか!もう少しですよ!」
メガネ「たかが一週間か。。。。」
私「そう一週間、がんばりましょう!」
メガネ「そうだね」
励ませて、安心して眠り付いた。
その次の日の朝、メガネオジサンはいなくなってた。
ショック!
私は励ましたつもりが、逆効果だったのかわからないが
帰ってしまったらしい。私もかなり落ち込んだ(笑)
二度と会うことも無いと思うけど、元気だろうか?
もし会えるなら、私の励ましは「余計なお世話」だったのか聞きたい。
それが原因か、50kmが原因か不明だが
その日から体調を崩し、研修センターで数日寝込む(笑)
10日後、最終過程もクリア出来て無事に帰りました。
ただ、営業所に配属になってから
害虫用の薬が劇薬で、一生の仕事とは思えず辞めてしまいました(笑)
滅多に出来ない、貴重な体験だったのかも。