妻の実家に帰省すると、いつも賑やかで楽しい。それはおしゃべり家族だからだ。しかし、おしゃべり下手な私は、なかなか会話に入っていけない(笑)
前回、帰省した時もおしゃべりで楽しませてもらったが、知らないうちにパラレルワールドに迷い込んでいた。
甘くない人形焼
車で実家に行く途中、サービスエリアに寄るのは帰省の醍醐味である。
今回もサービスエリアに寄り、ご飯を食べ、お土産をみて、充実した道中であった。何か面白いものや珍しいお土産がないかと、妻と二人でぶらぶらする。この「ぶらぶら」は、なんとも贅沢な時間だ。
その贅沢時間に見つけたのが「サザエさんの人形焼」であった。
(検索してみるとAmazonで名古屋限定を発見。)
サービスエリアで売っている人形焼は「つぶあん」「こしあん」「カスタード」と3種類の味があった。どれも捨てがたいと悩んだ挙げ句、色々な味が楽しめるセットを買って行くことにした。
実家に到着して、お義母さんに渡すと「ありがとう~。でも余計なお金は使わないで良いの!」と、いつも感謝され怒られるのである(笑)これはお義母さんの優しい気持ちが現れた、名言として受け止めている。
そして次の日。お土産を食べてくれて、感想を必ず言ってくれる。そんなに高級なモノでは無いが一言でも言ってくれると、買った甲斐があるというもの。
「美味しかったよ~。私はマスタードの方が好きだった」
一瞬時間が止まった。人形焼の話から、ホットドッグやフランクフルトの話だっけ?あれ、なんの話だっけ?
もしかしたら、この止まった時間にパラレルワールドへ行き、人形焼きの話をしているお義母さんと、からしに酢などを混ぜた調味料「洋からし」の話をしているお義母さんが入れ替わったのかと錯覚する。しかしパラレルワールドは無く、現世界は続くのであった。
「あ、カスタード!」
気がついたお義母さんは必死に訂正をするが、おしゃべり家族は人形焼ほど甘くはない。総ツッコミを受けるお義母さんであった。
お義母さんは名言も言うが迷言も言う。
パンチの効いた薬味
妻の実家には、家が2つありお義父さんお義母さん夫婦と、お義姉さんお義兄さんの夫婦がそれぞれ住んでいる。私達が遊びに行くと合計で、3夫婦で6人になる。
大人が6人も揃うことは、普段生活をしていて滅多に無く何か出来そうな気がしてくる。近所に住む落合さんを誘えば、9人の野球チームくらい出来そうな人数である。落合さん家族は何人いるのか知らないが、ご主人は四番ファーストで間違いないだろう。そして顔面凶器と名高い、お義兄さんがピッチャーをやれば、相手打者は足がすくんで三振の山を築くはず。
個性を生かした、我が「おしゃくそファイターズ」はなかなか強いチームになりそうだ。などと馬鹿な想像をしてしまう。
大人数になるとご飯の準備が大変になる。毎食ではないが、6人分をお義母さんが準備してくれる。献立を考えて、買い物もして時間も掛かり大変な作業だ。
ご飯の時間になり、居間に行くとすでに数々の料理がテーブルに並んでいた。そしてお義母さんが、居間とキッチンを往復して動き回っていた。お義姉さんも妻も「何か手伝おうか?」と聞くが「良いから座ってなさいー」と答える。
しゃべりながら動き回る優しいお義母さんを、感謝しながら眺めていた。と、キッチンからお義母さんの大きな一言が聞こえてくる。
「わきげも入れておいたからー」
一瞬時間が止まった。忙しいから手伝おうか?の話から、大声で毛の話だっけ?あれ、なんの話だっけ?
もしかしたら、この止まった時間にパラレルワールドへ行き、忙しく動き回っているお義母さんと、わきの下から生えている毛の話をしているお義母さんが、入れ替わったのかと錯覚する。しかしパラレルワールドは無く、現世界は続くのであった。
「あ、わけぎ!」
気がついたお義母さんは必死に訂正をするが、これほどパンチの聞いた薬味は無いだろう。おしゃべり家族からカウンター気味に、総ツッコミを受けるお義母さんであった。
お義母さんはキレイに言い間違えをする。
お米は「はえぬき」
妻の実家に帰ると、美味しいご飯が待っている。特に実家で作っているお米が美味しい。私達夫婦は何も手伝いをしていないが、行く度にお米を食べさせくれる。さらに収穫時期になると、新米を数10キロも持たせてくれる。非常に有り難い。
今回の帰省でも両親は「お米は足りているか?」と心配をしてくれる。前回もらった残りがまだあるので「大丈夫だよ」と答えていた。心配までしてくれていて、感謝しかない。
その後、お義母さんと会話をしていると、お米が足りなくなって買ったという。気が付かず私達はもらい過ぎていたのだった。すぐにそのことを謝ったが、お母さんは全く気にせずしゃべり続けていた。
罪悪感を感じながらも、お義母さんの話を聞いていると、最近買ったお米の話になっていた。「近くのお米屋さんで買ったの。それが思ったより美味しかったのよ~」
どうやらお米が足りないというお話ではなく、買ったお米も作ったお米には及ばないが、なかなか美味しいというお話だった。
「そのお米はね、はえぎわって言うの」
一瞬時間が止まった。お米の話から急に髪の毛の話?あれ、なに話してたっけ?
もしかしたら、この止まった時間にパラレルワールドへ行き、お米の話をしているお義母さんと、おでこと頭の境目の話をしているお義母さんが入れ替わったのかと錯覚する。しかしパラレルワールドは無く、現世界は続くのだ。
「あ、はえぬき!!」
先程放った「生え際」を亡き者にしようと、少し大きな声で「はえぬき」と言っても現世界は途切れず続く。その後、おしゃべり家族からの総ツッコミを受け、生え際から冷や汗が流れるお義母さんであった。
優しいお義母さんは毛に関する間違えが多い。
ちなみに関係無いが、こちらがはえぬき。
語録集
パラレルワールドのお話ではないが(笑)、こちらは数年前に不妊治療をした時の記事。当時お義母さんから、ありがたい名言を頂きました。
妻のブログにも、お義母さんの名言が書かれていたのでリンク貼りました。良かったらお読みください。
お義母さんの名言(迷言?)語録は、帰省する楽しみの一つである(笑)