記事を分けて、お手間をとってすみません。
職業としての小説家・村上春樹「読書感想」1の続きです。
「やるべきことはきちんとやった」という確かな手応えさえあれば
基本的に何も恐れることはありません。
P157より引用
不足している力量はあとから努力して埋めることができます。
しかし失われた機会を取り戻すことはできません。
P159より引用
まさに「人事を尽くして天命を待つ」ということです。
先日、記事にした「京セラの創立者の稲盛和夫さんの生き方」
この本の中にも書かれていました。
新たに挑戦している部下に対し
「神に祈ったか?」と、問います。
それ以外にやることが無いぐらいに
すべてやり尽くしたか?という意味で聞いていました。
先程の諺通りのことです。
「失った機会は取り戻せない」
機会 = チャンスですから
いつ「チャンス」が巡って来ても、良いように準備をしておく。
常に健康面、精神面をいい状態に置いて置くことが大事。
私は、資格勉強をする時に
ほぼ2年間、ずっと勉強してました。
家族もどこにも連れて行かなかったし
大好きなテレビゲームも、読書も一度もやりませんでした(笑)
そうしないと、時間が足りなくて
合格は無理だと思えたからです。
年に一度の試験で、一年目は落ちました(笑)
二年目に少しやり方も変えながら
効率よく記憶する事も考え勉強しました。
最後の計算問題が難しく
中々理解が、出来なかったので
過去の問題に、ヤマをはり一つを理解する勉強をしました。
その二年の努力を神様が聞いてくれたのでしょうか?(笑)
天命がありました。
ヤマをはった問題がそのまま出たのです。
そのお陰で、二年目でなんとか合格出来ました。
この時の事を思い出されます。
ただ、時間の経過と共に
勉強した内容はドンドン忘れております(笑)
しかし、この時の二年間で得た物は
知識以外にもあったと確信しております。
むしろそういうジェネラルなシステムそのものに対して語るほうが、
僕としては楽しいかもしれません。
P160より引用
一つ一つの作品を、語るよりも
長い時間をかけて構成し、作り上げた
小説を書くシステム。
マシンや工場の様なイメージをしましたが
その事を話す方が、楽しいとあります。
それが、あればいくらでも
小説は書けるようになっている。
長い時間を掛けて作り上げてきたモノで
自信も誇りもそこに感じられます。
作り上げたシステムには
自分の身体、精神面共に健康でなくては
上手く動きません。
それも含めてシステムと言ってます。
肉体的運動と知的作業の日常的なコンビネーションは
作家のおこなっているような種類のクリエイティブな労働には
理想的な影響を及ぼすわけです。
P171より引用
村上春樹は、毎日ランニングか水泳を1時間行ってます。
それは、小説を書くために必要な事だから
毎日、走ったり泳いたりするそうです。
先程の「マシンに油を注すように」という意味ですね。
樺沢紫苑先生の本にも運動すると
脳が整理され、朝のゴールデンタイムと
同じ状態にすることが出来ると書いてありました。
1時間以上の有酸素運動することで
脳が活性化され、頭を使う作業は
より効率的に、品質も向上されアウトプットされる。
これが、証明されているような気がして
すごく嬉しく感じました。
夢というのは-それが眠りながら見ている夢であれ、
目覚めながら見ている夢であれ-ほとんど選択の余地がないものなのです。
P238より引用
小説は架空のことだから夢と同じで
夢の中では、流れに従うだけ。
私は、誰も彼も小説を書く時は
初めに設定を考えて、登場人物の個性を決め
文章の構成等をキッチリと決めて
途中で多少の変更や追加・削減をしながら
調整して書き上げていくものだと決めつけていました。
夢の流れに従い
自分の創り上げた、人物に物語を進めさせて
それを書き出している。
もう凡人の私にはわからない世界です(笑)
よく天才と言われた人が、寝ながら考えるとか
素晴らしい世紀の発明も、夢の中で発明された
なんていう話を聞きますが、村上春樹さんもその類なのかと思い始めました。
小説を創りながら、自分自身を創作し
書くことで、自分を理解し足りない部分を補い
成長しているんだと思いました。
特に誰かのために小説を書いているかというような意識は
僕にはもともとありませんでしたし、今でも特にないからです。
P243より引用
私はブログやツイッターで、文章を書く時は
「過去の自分」だったり、妻、周りの人を意識してます。
自分と全然違う(笑)
イメージしていないと
変な文章になってしまうことがあるので。
意識的に、そうやって、誰かをイメージしてましたが
逆にしないんですね。
それよりも、書いていて
自分が気持良いか、楽しんでいるかが重要の様です。
私もツイッターやこのブログは、楽しいと思ってます。
世界の役には何も立ってないし
いまのところ、お金になるわけでもありません。
ただ誰かが見に来て、「1pv」でも有ると
ドキドキしてます。
出来ればまた来てねと(笑)
それを楽しんでいるのかもしれません。
楽しくなければやりませんね。
うちの夫婦の本棚とい
うのはくっきりと2つに分かれていて
昔の東西ベルリンみたいにまったく行き来がありません。
P299
うちの夫婦間でも、本のやり取りはあります。
私が読みたい本を購入して
読み終えた後に、妻が読みます。
私が読み終えた時点で、多少妻にアウトプットします。
私が覚えるためと、妻が読みたくなるか判断の為。
それを聞いて、妻は読みたいと思った本は
妻の「読む本リスト」の中に、ドンドン足されて行きます。
そのうちベルリンの壁より、高くなるかもしれません(笑)
妻は読書以外に、仕事で使う英語の勉強もするので
私よりも読書時間が少ないのです。
この本棚のエピソードは
夫婦間での人間らしさが少し見えて
ファンにはたまらない内容です。
小説家になりたい、1個でも小説を書いてみたいと
読書好きな人なら、誰しも思いますが私もです。
ただ、昔に少し書いたのですが
下手過ぎて、恥ずかしくなり止めてしまいました(笑)
この本は、そんな私にとって
小説を書くことは、そんなに難しくないし
こうやらなきゃいけないという、決まりごとも無い
自分が楽しくなるように、書けば良いんだよと
「世界的に有名な小説家」に、優しく教わっている気になりました。
ただ、小説を書き続け、探求し続けるのは
少し努力がいるよと。
売れ続けるには更なる努力と
いい人達に出会う、幸運も必要だと。
村上春樹さんが、暇さえあれば本の読んでいたのは
間違いないので、私はこれから沢山の本を読み
沢山の「抽斗」をつくりたいと思います。
そして、自分が今書けば楽しいと思うタイミングで
何か書ければと思います。
この本を読んで、更にファンになりました。
優しい方で、この本を読んでいる
こちらも優しくなれる、一冊です。