本のジャケットと題名の「破天荒フェニックス」というのが印象的な本。
一見なんの本だろうと思ってましたが、表紙の写真でメガネが沢山出てきてました。
巨額の負債を抱えたメガネ屋さんを再生していくお話です。泣けます(笑)
「君の膵臓をたべたい」以来の小説です。
この本との出会い・著者紹介
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著者:田中修治
10代の頃から起業家として活動。2008年に巨額の債務超過に陥り破綻していたメガネの製造販売を手がける株式会社OWNDAYSに対して、個人で70%の第三者割当増資引き受け同社の筆頭株主となり、同時に代表取締役社長に就任。2013年にはOWNDAYSシンガポール法人、2014年にはOWNDAYS台湾法人を設立し、同社代表取締役社長に就任。現在、11か国260店舗(2018年9月現在)展開し、独自の経営手法により、事業拡大と成長を続けている。
Schoo様より引用
目次・内容
第1話 トラックのハンドルを握るのは誰だ!?
第2話 新社長は救世主なるか?
第3話 目指すはメガネ界の「ZARA」
第4話 突きつけられた「死刑宣告」
第5話 全国店舗視察ツアー
第6話 スローガンに不満爆発
第7話 「利益は百難隠す」を信じて
第8話 絶対にコケられない新店舗
第9話 血みどろの買収劇 他 全31話
引用・感想
東日本大震災
東日本大震災では、自動車に視力の測定機器を載せて
動くメガネ屋さんを無料で走らせていた。
避難所であるおばあちゃんが、家族の安否を張り出された紙をメガネが無くて見れずにいた。
他の人に聞こうとしたが、人様の口から知る勇気がなくて
自分の目で見て確かめたい、そう思ってね、今までずっとみれなかったの。
位置№2619より引用
という言葉に泣いてしまった。
人に言われるのでは無く、メガネを掛けて自分の目で見れておばちゃんは感謝していた。
その出会いから田中社長の気持ちが変化したように思える。
オンデーズがお客様に本当に売らなければいけないのは、安いメガネでもお洒落なメガネでもなく「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」だったのだ。
位置№2654より引用
メガネ屋さんの存在意味の様な言葉が書かれていた。
この出会いがあってからメガネを売るだけじゃなく、技術も必要という考えが出来て
技術研修室の設立も実行している。ただの「破天荒」では無くなった場面だと思う。
資金ショート
冒頭から資金ショートの話が何度もあり、借金を抱えて自己破産という危機を
何度も乗り越えて来た。多くの場合は人に助けられている。
企業は「人」そのものなのだ。優秀な人を惹きつけることが出来なければ
企業は絶対に経営者の能力以上には成長をしない。
位置№4949より引用
という考えから、赤字からの脱却も従業員のリストラは行わず
給料の支払いを一番優先にして経営していたからこそ
助けてくれる人が、タイミング良く現れて来るのだと思う。
しかし一度の資金ショートをなんとか乗り越えると同時に、次の作戦をまさに「破天荒」の
早さで実施し、その度早まったか?と胃が潰れる様な不安と戦って
何度も、もう駄目かと思わせながら乗り越える姿はまさに「フェニックス」でした。
復活する度に華麗に羽ばたく姿に、魅せられる人が多いのだと思う。
まとめ・感想
資金の危機を乗り越えると、次ぐに次の一手に着手する。
乗り越えたから、少しゆっくり様子を見るような事は一度も無かった。
常に発展、進化させようとする気持ちが「破天荒」に見える。
企業でも人間でも進化しようと、歩み続けなければ現状維持をすることさえも
難しくなるという気持ちからか、常に倒産という現実が背中合わせにあったからなのか
わからないが、この推進力はもの凄いスピードがあった。
初めの頃は「自己破産」という言葉もあったが、危機の度に助けてくれた人が多くなると
自分一人の責任では無く、助けてくれた方に恩返し出来なくなる悔しさを感じていたことや
仲間や従業員のことを優先して考えている姿に、人間的にも企業も
大きく成長していることが分かり、またしても泣けてくる。
約500ページの本だったが、一気に読めてしまう。スピード感を感じる小説だった。
本を読み終えると、現状何にも燃えていない自分に恥ずかしさを感じるのと
破天荒な勇気をもらえて、このままじゃ駄目だ!チャレンジしようという気持ちにさせてくれる。
そしてOWNDAYSのメガネが欲しくなる。今度買いに行こう!(笑)
追伸:Twitterで本の題名を入れると、物語に登場した奥野さんから「いいね」を貰えて
「あー!あの資金をやりくりしていた!いつも苦い顔の奥野さん!」と思ってしまった(笑)